1. 家電リサイクル法の対象品目と基本フロー
家電リサイクル法の対象となるのは、以下の4品目です。
品目 | 主な種類・注意点 |
エアコン | ルームエアコンのみ。換気扇やビル用エアコンは対象外。 |
テレビ | ブラウン管式、液晶・プラズマ式の両方が対象。ただし、小型の液晶テレビ(15型以下)やモニターは対象外の場合も。 |
冷蔵庫・冷凍庫 | 冷凍冷蔵庫、冷凍庫、ワインセラーなど。サイズ問わず対象。 |
洗濯機・衣類乾燥機 | 全自動洗濯機、ドラム式洗濯機、衣類乾燥機など。二槽式も対象。 |
※パソコン(PCリサイクル法)、小型家電(小型家電リサイクル法)は別の法律の対象となりますのでご注意ください。
正しい処分の流れ(3つの選択肢)
対象家電を処分する主な方法は3つです。
購入したお店に引き取ってもらう
新しい家電を購入し、そのお店で引き取ってもらうのが最も一般的です。その際、リサイクル料金と収集運搬料金を支払います。
買い替えしない場合、最寄りの小売業者に引き取りを依頼する
買い替えをしない場合、その家電を最初に購入したお店、または同じ種類の家電を販売している最寄りの小売業者(家電量販店など)に引き取りを依頼できます。
自治体の収集に出す(自治体により異なる)
一部の自治体では、指定場所への持ち込みや収集を行っている場合があります。まずはお住まいの市区町村のホームページで確認することが必須です。
2. 家電リサイクルにかかる費用の内訳(2024年最新)
「処分にお金がかかる」 というのが家電リサイクル法の大きな特徴です。費用はリサイクル料金と収集運搬料金の2つに分けられます。
リサイクル料金: 家電メーカーがリサイクルするための費用。国が定めており、品目によって異なります(メーカーによる大きな差はほぼありません)。
収集運搬料金: 家電をメーカーのリサイクル工場まで運ぶための費用。回収業者や小売業者が設定します。
品目別 リサイクル料金目安(税込)
品目 | 料金(円) | 備考 |
エアコン | 1,870-2,170 | ルームエアコンのみが対象です。 |
テレビ(ブラウン管) | 3,520-3,820 | |
テレビ(液晶・プラズマ) | 3,960-4,160 | 15型以下の場合は対象外の場合があります。 |
冷蔵庫・冷凍庫 | 5,720-6,020 | サイズに関わらず対象です。 |
洗濯機・衣類乾燥機 | 3,520-3,820 | 二槽式も含まれます。 |
※2024年4月時点の料金。パナソニック、シャープ、日立、東芝、ソニー、三菱電機など、主要メーカー間での料金の差異はほとんどありません。
※最新かつ正確な料金は一般財団法人家電製品協会 リサイクル券センターでご確認ください。
収集運搬料金は業者によって大きく異なり、2,000円~5,000円程度が相場です。階数や立地条件(駐車場からの距離など)によって変動するため、必ず事前に見積もりを取ることをお勧めします。
3. 失敗しない!不用品回収業者の選び方と注意点
「処分費用を安く抑えたい」「すぐに引き取ってほしい」という気持ちから、無許可の業者を利用してトラブルになるケースが後を絶ちません。以下のポイントを必ず確認しましょう。
✅ 古物商許可証を所持しているか?
不用品回収業を営むには、都道府県公安委員会発行の「古物商許可」が必須です。ホームページに許可証番号が掲載されているか確認を。
✅ 明確な料金体系を提示しているか?
訪問後に法外な金額を請求する「不正要求」が多発しています。見積もりは書面で、かつ内訳が細かく記載されている業者を選びましょう。
✅ 家電リサイクル券の発行を約束しているか?
正規の業者は、対象家電を引き取った後、家電リサイクル券(マニフェスト) を発行します。これはリサイクルが適切に行われる証拠です。発行を渋る業者は絶対に利用しないでください。
【絶対に注意すべき危険な業者の特徴】
「無料回収」を謳う業者 → 後から高額な費用を請求される可能性が極めて高いです。
町中を巡回する「トラック回収」→ 不法投棄の温浴です。絶対に依頼しないでください。
電話で業者名や所在地を明確に答えない業者。
4. よくある質問 Q&A
Q1. 10年以上前の超大型冷蔵庫でも処分できますか?
A1. はい、可能です。メーカーが現存しない場合(ナショナル旧製品など)は、「統一リサイクル料金」が適用されます。料金は家電リサイクル券センターのHPで確認できます。
Q2. 粗大ゴミとの違いは何ですか?
A2. 法律が全く異なります。家電リサイクル法対象品目は、市区町村の粗大ゴミとして出すことは原則禁止されています。間違えて粗大ゴミ券を貼っても回収されませんのでご注意ください。
Q3. 自分でリサイクル工場まで直接持ち込むことはできますか?
A3. はい、可能です。その場合はリサイクル料金のみの支払いで済み、収集運搬料金はかかりません。最寄りの指定引取場所は家電リサイクル券センターのHPで検索できます。
Q4. 壊れたり、水没した家電でも回収してもらえますか?
A4. はい、回収可能です。ただし、ガスが封入されているエアコンなど、専門的な処理が必要な場合は追加費用が発生する可能性があります。事前に業者に状態を伝え、確認を取りましょう。
5. 成功事例ご紹介:東京都・A様のケース
【お悩み】
東京都内在住のA様は、マンションのリフォームに伴い、10年以上使用していた200Lの冷蔵庫と液晶テレビ(32型)を処分したいと考えていました。購入したお店は遠方で、買い替えも予定がなかったため、どのように処分すればいいかわからずお困りでした。
【解決策】
A様は当記事を参考に、まず複数の不用品回収業者から書面での見積もりを取りました。その際、古物商許可の有無と家電リサイクル券の発行の約束を確認条件としました。
【結果】
比較検討した結果、収集運搬料金が明確で、オンラインで簡単に見積もりが取れる業者を選択。業者が訪問し、状態を確認後、事前の見積もり通りに冷蔵庫:5,720円 + テレビ:3,960円 + 収集運搬料金:3,000円、合計12,680円で引き取ってもらうことができました。後日、家電リサイクル券もメールで受け取り、安心して処分を完了させることができました。
まとめ:正しい知識で環境と家計を守ろう
家電リサイクルは、少し手間と費用がかかる面倒な作業に感じられるかもしれません。しかし、適切なリサイクルは貴重な資源の有効利用につながり、不法投棄などの環境問題を防ぐ重要な社会の仕組みです。
まずはお住まいの自治体のルールを確認し、信頼できる業者を慎重に選ぶことから始めてみてください。
【最終確認チェックリスト】
処分したい家電はリサイクル法対象品目か?
自治体のHPでルールを確認したか?
複数の業者から書面見積もりを取ったか?
業者の古物商許可を確認したか?
家電リサイクル券の発行を約束してもらったか?
この記事が、皆様の快適な生活のお役に立てれば幸いです。