1．フェイスリフトとは？：リフトアップ治療の基礎

1-1 定義と目的

フェイスリフトとは、顔の皮膚・皮下組織・表在性筋膜（SMAS）などを引き上げ、余剰な皮膚を切除して、たるみ・しわ・フェイスラインの崩れを改善する外科的な施術です。
「切らない」リフト（糸リフト・HIFU （高密度焦点式超音波））などもありますが、フェイスリフト（切開法）は根本的なたるみ改善・効果の持続性で特徴があります。

1-2 どんな人に向いている？

主に以下のような方に向いています：

• 頬・あご・首あたりのたるみが目立ってきた方

• フェイスラインがぼやけて、顔の輪郭が崩れてきたと感じる方

• 糸リフト・レーザーなどでの“ひきあげ”が十分でなかったと感じる方

• 長期的にリフトアップ効果を維持したい方

1-3 「たるみ」が起こるメカニズム

顔のたるみには複数の要因があります：

• 皮膚のハリの低下（真皮・コラーゲンの衰え）

• 皮下脂肪の位置変化／減少

• 表情筋・筋膜（SMAS）のゆるみ・たるみ

• 靭帯（リガメント）の伸び・たるみ（顔を支える構造が緩む）

• 骨（顔骨格）の萎縮・変化による支持力の低下

このように多層構造でのアプローチが必要なため、切開によるフェイスリフトが「根本治療」として位置づけられることがあります。

2．主な施術の種類・術式

以下に、代表的なフェイスリフトの術式と特徴を整理します。

2-1 施術の流れ（一般的なステップ）

1. カウンセリング・診察・マーキング（顔のたるみ具合・骨格・希望を確認）

2. 麻酔（局所または静脈・全身）

3. 切開（一般的にはこめかみ～耳前～耳後ろ／髪の生え際）

4. 皮膚剥離 → SMAS剥離・引き上げ（＋リガメント処理など）

5. 余剰皮膚切除・縫合・ドレーン装着の有無検討

6. 術後ケア・経過観察 → ダウンタイムを過ごす

2-2 効果の持続について

術式にもよりますが、一般的に「約5〜10年程度」効果が期待できるとの報告があります。 ただし、加齢・生活習慣・肌質・術後ケアなど個人差が大きいため「何年持つか」は確定できない点を理解しておきましょう。

3．施術前に知っておきたい「メリット／デメリット／リスク」

3-1 メリット

• 本格的なたるみ改善：皮膚だけでなくSMAS・深層構造までアプローチ可能。

• フェイスライン・首・あご下の輪郭改善に有効。

• 長期的な効果が期待できる。

3-2 デメリット・リスク

• 切開を伴うため、**ダウンタイム（腫れ・内出血・むくみ）**が比較的長め。

• 傷跡が残る可能性あり。理想的には目立たなくなるようデザインされますが、100 %消えるわけではありません。

• 手術時間・麻酔・入院（または日帰り・翌日退院）などの準備が必要。

• 費用が比較的高額となるケースが多い。

• 医師の技術・クリニックの設備により、仕上がり・安全性に差が出ます。リスクとして「顔面神経麻痺」「感染」「血腫」などがあります。

4．安心して施術を受けるための“クリニック選び”ポイント

• 日本形成外科学会専門医・美容外科学会所属医師など、資格・実績を確認

• 施術前・施術後の症例写真を確認（同年代・同症状の比較）

• カウンセリングで「自分のたるみの原因（皮膚？筋膜？骨？）」「術式の違い・ダウンタイム」「費用・追加オプション」を明確に説明してもらう

• アフターケア・緊急時対応・保証制度などもチェック

• 安すぎる価格・過度な宣伝文句（“即効”“永久保証”“無料”など）には要注意

5．よくある質問（Q&A）

Q1. 手術の痛みや麻酔はどうなりますか？
A1. 麻酔として局所麻酔＋静脈麻酔、または全身麻酔を選ぶクリニックがあります。施術中に強い痛みを感じることは少ないですが、術後に多少の痛み・熱感・むくみを感じることがあります。

Q2. 術後、どのくらいで普通の生活に戻れますか？
A2. 個人差がありますが、腫れ・むくみが目立たなくなるまで「1〜2週間程度」、フェイスラインが落ち着くのに「数か月」が目安です。完全な仕上がりは6〜12ヶ月かかる場合もあります。

Q3. 傷跡はどれくらい目立ちますか？
A3. 切開部位は髪の生え際や耳の周囲に配置されることが多く、目立ちにくいよう工夫されています。ただし個人の肌質・術式・ケアによって目立ちやすさは異なります。「まったく傷跡なし」は保証できません。

Q4. 効果はどれぐらい持ちますか？
A4. 術式・個人差にもよりますが、5〜10年程度の持続を目安とするケースが多いです。加齢・生活習慣・ケアによってはそれより短くなることもあります。

Q5. 糸リフト・HIFUではダメですか？
A5. 糸リフトやHIFU（高密度焦点式超音波）などは「切らないリフト」で手軽な反面、たるみの程度が強い場合や長期効果を求める場合には限界があります。切開法フェイスリフトの方が「根本治療」として選ばれることがあります。

Q6. 術後のケアで気をつけることはありますか？
A6. 術後は以下のような点に注意してください：

• 激しい運動・重い荷物を持つなどの負荷を避ける

• 術後数日〜1週間はむくみ・腫れ・内出血が出る可能性あり

• 傷口・切開部の清潔を保つ

• 紫外線対策・喫煙・過度な飲酒などは回復を遅らせる可能性あり

• 定期的にクリニックでの検診を受けましょう

6．まとめ

日本でのフェイスリフトは「たるみ」「しわ」「フェイスラインの崩れ」を本格的に改善したいと考える方にとって、有力な選択肢です。ただし、効果も大きい分、手術であること・リスクがゼロではないこと・クリニック・医師選びの重要性を理解することが不可欠です。
「どこまで改善したいか」「どの程度のダウンタイムを許容できるか」「将来的なケアも含めて考えられるか」などをご自身で整理したうえで、信頼できるクリニックでのカウンセリングを受けることをおすすめします。

免責事項： 本記事でご紹介した内容は一般的な情報であり、効果や持続期間には個人差があります。実際に施術をご検討の際は、必ず医療機関にて直接医師の説明を受け、ご自身の責任において判断なさいますようお願い申し上げます。